本日は授業でションベン・ライダーを見ました。あと、先日の映画祭の感想。多分映画祭の方のリバークイーンはどこかで上映されるかもしれないので(配給会社が大きな会社だったので)両方とも続きのほうにしときます。基本ネタばれ満載なんで。
では
まずションベン・ライダー。
まぁこれは授業のコンセプトが「相米慎二を見よう!」だったので見たのですが、ちょっとこれは苦手、というかなんと言うか。まず第一に距離感がつかめないんですよ。子供たちの移動する過程(横浜→熱海→名古屋→横浜)がよくわからないんです。知らない間に移動が終わっている感じ。や、勿論移動の際のさまざまなエピソードは入ってるには入っているんですがどうにもこうにも「移動した」という雰囲気があんまり伝わってこない。それがまず前提にあるんですがそのことに加えて登場人物たちの心の距離がいまいち伝わらないんです。見ている側にうまく伝わらないこと、に意義があるんだと言われればそれはそれまでなんですが(現に講師は「まぁテレビの弊害のある現代の子供にはわかりにくい部分があると思いますが」といってましたし)それにしてもわかりにくすぎ。特にでぶながの存在。なぜ彼は最後は皆一緒がイイ、と言い出すのか。誘拐されていた間精神的にはずっと一人なわけですからそりゃ他の人がいるのがいいとは思いますがアラレも一緒じゃなきゃ嫌だだなんて言い出すほどに彼らの心の距離は近かったのか?それが私にとってはよくわからないものの一つだったりします。(余談ですが彼の撮影スケジュールってどんな感じで組んでたんだろ…出ずっぱりな他三人の子供たちより明らかに出番は少ないものの、熱海以外では常に何かしらの接触をしている訳なんですよね。重要人物だし。だったら撮影にはロケごとに毎回参加しなきゃいけない訳ですから・・・それともロケ地が全部一緒だったのかな?提供のところには熱海市しか見てないような気もするし)あとはやっぱり相米さんだな、と思う部分といえば長回しでしょうか。長回しの所為でか、藤竜也さんのアップがほとんどまったくといっていいほどないんですよ、この映画。彼、すごいやりにくかったんじゃないのかなーと思います。表情の演技に長けてる俳優さんほどこの手法はやりにくいと思います。顔に気を抜いていい訳じゃないけど顔は映らないし体の演技ってしすぎればしすぎるほどうさんくさい舞台調になってしまうし。藤竜也がこの映画のことが話に出た際に「フン、あんな映画」と呟いた、って言うのもなんとなく頷ける気がします(笑)。それから、河合美智子ってすごい体張ってるなーと。めちゃくちゃギリギリですよ、お風呂のとことか後半部分の洋服取替えっこのとことか。永瀬正敏はほぼ半裸だったあの衣装を!彼女が!着るんですから。軽くセミヌードですよ。あれはやっぱり日活ロマンポルノ出身のひとだから思いつくんじゃないかしら・・・なんて。原日出子も、非常に位置の取りずらい役でよくがんばったなぁと思います。彼女の役は「巻き込まれる側」としか表現できないような役で、それ以上の表現する言葉を私は知りません。ただ、彼女の最後の行き着く果ては非常に気になるところではありますが。(結局彼女はあれですか、薬漬けになってしまったから三人が来たときも「私、行かない。」「言ったら笑われる理由だもの」と言って最終的に彼らの前から姿を消したんでしょうか?)感動とかメッセージ性とかは特別感じはしないけど何か他のものを感じる映画であるとはいえます。それが何か、というのがまず問題ですけど。
映画祭 「バナナのように」
これははじめ脚本ありきの作品だと思ってたんですが実はそうではなく普通にドキュメンタリーだった作品です。ニュージーランドに住む中国人女性と現地の白人の男性が恋に落ちて結婚しようとするけど・・・というお話で、要するに、白人社会での中国人(アジア人)の姿と恋愛が絡んでいるお話です。彼ら(中国人)は白人社会に対しては自分は白人たちと一緒だ、と見せているけど中身は中国人であること、に固執していて、主人公の女性の恋人(白人)にはあまり興味がない割にはnot友好的で・・・というお話です。なかなかに面白い題材+恋人の男性がすごく彼女を好いていて、一緒になりたいという思いがわかるので結構楽しめました。
「田舎町のポンコツレース」
ニュージーランドの田舎で繰り広げられるポンコツ車によるポンコツ車のためのレースの実態を撮ったお話、で、笑えるし面白いはず、何ですが・・・
すみません半分くらい寝てました。前日の睡眠時間が極端に少なくて耐えられませんでした。すみません、この映画はスルーの方向にしときます。
「レイン」
少女の性への目覚めとその両親・家族のお話。主演の女の子がすっごいその年代の危うさと小憎たらしさ、それに加えて生意気なかわいらしさ(全部ほめ言葉のつもりです)をすべて持ってて上手だなー!と感心しました。あとお話的にはそういう風にしてラストを持ってくるの?と首を傾げたくなるラストではありましたが、全体的にローテンションに持って行ってたぶんだけまぁそういうのもアリかな、と思います。
いきなり弟死んでるんだもん・・・その前兆はあったけどそれを契機にラストにつなげるのがなんかこの映画のよさを尻すぼみにしてるように思うんですよね。 「リバークイーン」
こ れ は 唯一の大手配給会社の作品なだけにらしい演出が満載でした。ニュージーランド開拓時代のアイルランド人(イギリス人?)女性とマオリ族のお話なんですがこの女性ほんっとーーにキレイなんです。美人。色がとっても白いのでマオリの人たちとの対比がうまく出来てると思います。が、結構わがままなんですよね、彼女。献身的であると同時に非常に残酷だと思います。特にドイルに対して。息子を殺そうとしてもいい(ここ非常に微妙なんですが、負傷した彼を守ろうとするために敵方である息子に銃口を向けてしまう、というシーンなんです。あ、この時代イギリスとマオリ族は戦争を起こしてました)位に彼を守ろうとする割には彼の思いに対しては絶対にYESと答えない。これは見た人が全員「ドイル・・・!」と思ったに違いない。だって彼は絶対長い長い間、それこそ子供のときから彼女を思い続けて守ってきた筈なのに。思いに答えるのと身柄を守るのは別問題で天秤にかけるもんじゃないかもしれませんが、そうまでして献身的な割には振り向かない、って言うのは残酷だと思います。ウィレムもさー、可哀想だと思うんですよ。明らかにこの人彼女のこと好きなのに!体を許してもらえたのに!彼女の息子守るために指を落としたのに!思いは実るけど体を許した後に「一緒に来て欲しい」って言って、首を振られる(しかもその理由がドイルが死んだから、ですよ)って言われたときの彼の顔は可哀想でしたよ。サラにもサラの事情があってウィレムを好きだけどその衝動に任せるわけには行かないの・・・というのは見てて伝わるんですがなんていうか。女の無意識の残酷さを垣間見た瞬間、でしたね、はい。あとひとつ。
サラ、戦場でそのひらひらしたスカートで動き回るのはおやめ。時代考証にあわせたつもりだと思うんですがどうしてもふんずけてこけそうだし、動き回るのには不向きだし。一発で女だと丸わかりなので戦場という場においては不向きすぎると思うんですよねぇ。
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