ということで風邪をひいていたのに読んでしまった本、その①。暇が出来たらその②、その③もネタばれ感想文書きたいなと思います。
大っ好きな作家、恩田陸さんの本です。以下ネタばれですー。 久々に恩田さんの演劇ネタが出てきましたねぇ。黒と茶の幻想や麦の海に沈む果実に出てきた憂理の存在からも伺えるように恩田さんって演劇、好きですよね。今回はそれが全面的に押し出されているような感じがします。登場人物で言えば一番恩田さん「らしい」キャラクターは間違いなく響子でしょう。冷静さと高い自尊心、そして美形。やっぱり出てきたよ、恩田さんのお得意キャラだわー!と出てきた瞬間から思いましたもん。話の内容的に言えば三方向(響子、神谷、巽(+飛鳥))から物語が始まり、気がつけばその三方向すべてが一つのベクトルへと向いている、というのがなかなかに面白かったです。とはいえ恩田さん結構この手法お好きですよね?でもラストは「そう来るかー!」と思いました。いやまさかそのどんでん返しはないだろう、と思ってたんですけど!毎回毎回恩田さんの作品には驚かされます。最後まで読まなきゃ何が起こるかわからない。宮部みゆきなんかはクライマックスを過ぎちゃうと後のエピローグがほんっとーにエピローグ過ぎて流しでいいか、と思うんですが、恩田さんの場合はエピローグまでが勝負なんですよね。(宮部みゆきはその辺があまり好きではないのですが、それでも話の持っていき方、クライマックスの緊張感は本当に完成された文章で「天才っているんだわ」と思わされます。デビュー作からしてすごい完成度高いんですもん)あとひとつ気になっている部分としては飛鳥が入院してる際に飛鳥に映画を見せたのって芹澤さんじゃないかと思ってたんですが、結局どうなんでしょうか?この辺ちゃんと書かれているのかどうかが私、分かり辛くて気になっていたんですけど。どうなんだろうなぁ・・・。あと芹澤さんからは関根パパのにおいを感じます(笑)関根家ラバーとしてはなんともいえない嬉しさですね。・・・恩田さん、そろそろ関根家の話書いてくれないかなぁ・・・(関根家は恩田さんにとっては古すぎる存在なのでしょうか・・・秋くんの話とかすっごいよみたいんですけど!)
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